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「偏差値の高い生徒は、もともと頭が良い」
受験の世界では、そんなふうに考えられることがあります。
確かに、生まれ持った認知能力や、
物事を理解する速さなどには、個人差があります。
誰もがまったく同じ条件でスタートするわけではありません。
しかし、日々、中学生・高校生に接していると、
それだけでは説明できないことに気づきます。
それは、高い学力を身につけている生徒には、
共通する「学び方」があるということです。
その「学び方」とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
「知っている」だけでは、入試問題は解けない
高校入試、大学入試で結果を出すためには、
単にたくさんの知識を覚えているだけでは十分ではありません。
例えば、
• 問題文から必要な情報を読み取る
• 図や表、グラフから情報を整理する
• 何が問われているのかを把握する
• 持っている知識の中から必要なものを選ぶ
• 複数の知識を組み合わせて考える
• 答えが合っているかを確認する
といった力が必要になります。
つまり、高い学力には、
「知識」だけではなく、「知識を使う力」
が必要です。
そして、成績の高い生徒を見ていると、
さらにその前段階にある重要な力が見えてきます。
高学力の生徒は「自分で学ぶ時間」をつくっている
成績の高い生徒には、学習に取り組む際に
「誰かにやらされている」
という感覚が比較的少ない傾向があります。
もちろん、学校や塾から課題を出されることもあります。
しかし、それとは別に、
「今日はここまでやろう」
「この分野が弱いから復習しよう」
「このままでは間に合わないから、今週は勉強時間を増やそう」
と、自分自身で学習を調整しています。
これは非常に大きな違いです。
彼ら、彼女らは「勉強時間が長い」というより、
「自分で勉強する時間をつくることができる」
のです。

そして、学習が「習慣」になっている
さらに重要なのが、学習の習慣化です。
毎回、
「今日は勉強しようかな」
と気持ちを奮い立たせなければ勉強できない状態では、
長期間の受験勉強を続けるのは大変です。
一方で、
帰宅したら英単語を30分やる
夕食後は数学に取り組む
土曜日は苦手分野を復習する
というように、
学習が生活の一部になっている生徒は、
安定して学習を継続できます。
ここには、自己管理能力が関係しています。
「机に向かう時間」と「集中して考える時間」は違う
ただし、ここで一つ注意が必要です。
勉強時間が長ければ、
それだけ学力が高くなるわけではありません。
大切なのは、
その時間にどれだけ質の高い思考をしているかです。
例えば、難しい問題に取り組んでいて、
「どうしてこの解き方になるのだろう?」
「この条件にはどんな意味があるのだろう?」
「別の方法でも解けるのだろうか?」
と考え続ける。
こうした認知的な持久力も、
高い学力を支える重要な力です。
「2時間机に座っている」ことと、
「2時間、集中して考え続ける」ことは
同じではありません。
さらに重要なのが「振り返る力」
高学力の生徒に共通して見られる、もう一つの特徴があります。
それは、
「間違えた後の行動」が違う
ということです。
例えば、問題を間違えたとき、
「間違えた。次は気をつけよう」
で終わるのではなく、
「なぜ間違えたのか?」
と考えます。
そして、
• 知識が足りなかったのか
• 問題文を読み違えたのか
• 解法を選べなかったのか
• 計算ミスだったのか
• 時間が足りなかったのか
• そもそも勉強の仕方が悪かったのか
を考えます。
そして、次の学習方法を変えます。
このことが非常に重要になってくるのです。
「勉強する → 結果を見る → 原因を考える → 方法を変える → もう一度勉強する」
というサイクルを、自分で回せる生徒が
実は高い学力を持った生徒なのです。

高い学力は「学習の好循環」から生まれる
ここまでを整理すると、
高学力の生徒には次のようなサイクルを回す力があります。
自分で学習時間を確保する
↓
学習を習慣化する
↓
集中して考える
↓
テストや模試の結果を振り返る
↓
自分の弱点を発見する
↓
学習方法を修正する
↓
もう一度学習する
このサイクルを繰り返すことで、
少しずつ学力を上げていっているのです。
つまり、
「頭がいいから勉強ができる」
ということも多少はあるかもしれませんが、それよりも
「自分で学び方を改善し続けるから、学力が伸びていく」
という側面の方が大きいということです。
大人が育てるべきは「自立した学習者」
もちろん、すべての生徒が
同じように学習できるわけではありません。
得意・不得意もありますし、
理解する速さにも個人差があります。
しかし、そうであったとしても
自ら学習時間を確保し、
学習を習慣化し、
集中して考え、
振り返りによって学習を改善できる生徒へと成長することは、
周囲の大人が、生徒本人の意思を尊重し、
行動を適切に支援することで、十分に可能です。
そして、このような生徒になるのは、
大学入試のためだけではありません。
自分で課題を見つけ、自分で学び、
必要に応じて学び方を変えていく力を身に付けることができ、
その力は大学進学後も社会に出てからも役に立ちます。
「教えてもらえばできる」から、「自分で学び、考え、改善できる」へ。
これは、社会人、大人の要件のひとつではないでしょうか?
私たちは、高校生の大学受験を支える中で、
単に知識を与えるだけではなく、こうした
「自立した学習者」を
育てていきたいと考えています。
あっ!この文章、長いと思っている、そこの高校生
この程度で長い!と思っているようでは、
共通テストで結果を出すことは到底できません。
次回は、
偏差値70と50では何が違う? 偏差値帯別に見る「学力」と「学習の仕方」
というテーマでお伝えします。
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